2019年8月1日
秋鹿小学校の統廃合について
小学校の統廃合が続く島根県ですが、私の住む秋鹿地域においても小学校の統廃合の話が生じています。
2025年に古江、大野、秋鹿の3小学校統合の案があり、来年くらいを目途に話し合って統合するか否かの結論を出すとのことです。
今は行政の方針によって統廃合が決定されるのではなく、地域住民の声も反映しながら統廃合方針が進められ、いいことと思います。一方、地域住民の声といっても、統合に賛成、反対の両方の意見があり、それをまとめていくのは大変なことと思います。
①統合することのメリット、デメリットについて
メリットとして多くの友達と学校生活を過ごせることが一番にあげられます。クラス替えも可能になり、多様化された友達関係から多くの学びを得ることが可能となります。また、小人数では人間関係が気まづくなったり、遊びが限定的になるかもしれませんが、そのようなことも緩和されると思います。
デメリットとしては、地域の衰退に拍車がかかるということがあげられます。小学校というのは地域の核でもあり、地域活動ともリンクしています。地域を思う心等も薄れていくものと予想されます。
②秋鹿地域の小学生の生徒数推移について
秋鹿小学校生徒数については近年は70人程度で推移しています。これは、土地開発公社による50棟程度の秋鹿ふれあい団地が平成18年頃に造成され、Iターン者及び秋鹿出身者が居住したことにより、多くの生徒が当該団地に住んでいることによるものです。
しかしながら秋鹿ふれあい団地もほぼ埋まり、現状において秋鹿地域に若い世帯が住むには同居するか、実家の敷地内に別棟を建築するしかなく、Iターン者を見込めません。
そうしますと、今のまま何もしなければ5年後くらいから出生数が大幅に減少し、その世代が小学6年生になる15年後くらいに全校児童数は50人を切るのではないでしょうか。
③今後の都市計画について
秋鹿地区は大半が市街化調整区域で賃貸住宅の建設及び、民間による住宅団地の開発が難しい状況となっています。ふれあい団地の売行きを考えると、年間で5区画程度でしたら売行きよく宅地が販売される地域ではありますが、宅地が販売されていないためにIターン者等が住むことはできない状況となっています。
今後は松江だんだん道路が湖北地域まで伸びることにより、長江の朝日ヒルズ工業団地にも新しい事業所が建設され、湖北地域に雇用も創出されると思われます。
開発を進めるのか、それとも農地を維持し人口増加に抑制をかけるのか都市計画を長期的視点で考えていく必要があります。
④統合について
話し合いの結果、現在の一学年10人強程度で良いならば、統合はしなくてもいいと思います。大野から古江までとなると少し広域的すぎます。専門学校や観光施設もある中、地域的なポテンシャルを考えると小学校の統合はもったいなく寂しい気がします。10人強であれば、都市計画の変更等により、維持することは可能な数字であると思います。
一方、教育委員会が述べているようにクラス替えをするくらいの人数が必要とのことでしたら、やはり統合は避けて通れないと思います。小学校が統合されたとしても、両親ともに車を保有している親も多く、保育園は秋鹿外になるために統合への抵抗感も薄いのではないでしょうか。
いずれにせよ一長一短あると思いますが、大事なことは統合するか否かが決定した後の地域づくりの方針をしっかりと定めることです。統合するのであれば、小学校という核が無くなる中において今後地域をどのように活かしていくのかを考えないといけませんし、統合しないのであれば生徒数を維持するための住宅政策をしっかりとしないといけません。
誰もが納得する形で結論が導かれることは難しいですが、未来に向けてよりよい結論が出ることを望みます。
│カテゴリ: │更新日:2019.08.01│