不動産を投資対象とするならば
シェアハウスに投資をして資金が回収できないという話が最近ありました。賃料は保証されるからということで借金をして建物を建てて、結局、保証されていた賃料も入らず、多額の借金だけが残る。そして、不動産需要の無いところに残される建物。
不動産運用会社の無責任体質はいうまでも無く、審査能力が低いと思われる銀行、多くの関わった方々に問題があったと思われます。結果をみれば、初めから無謀な投資案件といえます。
しかしながら、問題となるまでは不動産の知識が豊富な人が多かったわけでなく、無謀であるということに気づかなかった人も多かったと思います。運用していた会社も規模を追求するあまり、なんとかなると甘すぎる見通しを立てていたのではと思います。
私は不動産を投資対象とするならば新築ではなく、その資金は中古案件に向けるべきであると思う。今回のようなケースでは無駄に不動産が増えてしまいますし。中古案件に資金が流れれば、最低限、社会の役に立つのではないかと思います。
老いる家 崩れる街
「老いる家 崩れる街」野澤千絵著を読みました。不動産鑑定士にとって注目すべき内容が多く非常に良書です。
計画性なしに住宅が建てられることに歯止めをかけようとする本です。
都市計画設定が市町村ごとに計画されるので、全体として無意味だったり、緩和規定よって市街化調整区域に住宅が建築されすぎたり、都市部には必要以上に高層マンションが建てられたり、中心部の建て替えよりも郊外化がどんどん進んだり・・・様々な問題が指摘されています。
中古より新築住宅政策を優先する国、利潤追求をする不動産業者、高値で売却したい地権者、そのような方々により、無秩序に不動産が建てられていく・・・。
今後、人口が減少していく中において、都市デザインをしっかりと描かないといけない!!そう再認識させてくれる一冊で、非常に勉強になりました。
人口減少地域の不動産供給不足
過疎化、高齢化が進む島根県。
中心地以外の地域には需要が無いということがよく問題視されますが、供給が無いことも問題です。
若い世帯が少なく、高齢化が進む地域においても生まれ育った地域で暮らしたい、自然あふれる環境で暮らしたい等の一定の需要は存在します。
しかしながら取得可能な不動産がない。
先祖代々の土地だったり、居住してなくても親族が集まる場であったり・・・。
遠方に住んでいる不動産所有者が不動産を手放す意識を高めることが必要であると思います。
大型物流施設
関西において大型物流施設の建設が相次いでいます。今年は甲子園の8個分くらいの面積の施設ができ、通販会社の利用が多いようです。
通信販売というのは、パソコンから注文でき、価格も若干安く買えることも多く非常に便利です。
しかし通販がさかんになると販売店の経営悪化に繋がり、販売店そのものが無くなっていくのではないでしょうか。人を通して物を購入することが少なくなり、なんだか寂しい世の中になる気がします。
適正なバランスが少し壊れていっている気がします。
インフラの老朽化対策
橋やトンネルといったインフラの老朽化対策を義務付けるという記事が新聞にありました。財政難や技術者不足で取り組みが不十分な自治体もあるために統一的なルールを定めるとのこと。
今さら感は否めないですね。
多くの道路が作られている中において、今後は修繕費用がかさんでいくことでしょう。その費用や技術者不足のことを考えた上で道路等は建設していかなければいけないのに、はたして将来のことを考えて道路等が作られてきたのか疑問に思います。
交通利便性が上がるという効用がある一方で、作った分だけ将来の修繕費用等の負担になるということは考えないといけないと思いました。
平成25年地価調査発表
昨日、平成25年の地価調査価格が発表されました。
島根県においては出雲大社前の神門通りのポイントが唯一の横ばい地点で、その他のポイントはすべて下落となりました。
大社について平成の大遷宮の効果もあり神門通りは人通りも多く、地価の下落に歯止めがかかっているようです。
住宅地の下落については下落幅は縮小しており、こちらは消費増税前の駆け込み需要等による原因と考えられます。
松江第五大橋や松江尾道線の開通等の影響も地価動向を左右しており、今後の様々な開発が地価にどのような影響を与えていくのか、注目したいと思います。